ライトノベル・コミックス・アニメなどサブカルチャーで一大ムーブメントを巻き起こした「異世界」ジャンルですが、昨今その鉱脈はつきかけているように見受けられます。
そんな現在、次に来るのは何か?を考えていくコラムです。
今回はコラム的なものを書いてみるという試みをします。
一つの意見と思って読んでくれると嬉しいです。
昔のブログではよくコラムみたいなものを書いていたのですが、スマホが普及して誰もがネットに常時接続できるようになると、世の中に潜在的にたくさん居た有識者の意見にすぐアクセス出来るようになり、ちょっと詳しいレベルの人が持論を述べると叩かれる世界になってしまった為に、あまりこういうのは昨今書いておりませんでした。
ただ今回は、誰もが手探りの時期に入ってきているなと感じたので、まだ方向性が決まってない段階なら好きに書いても良いだろうという目論見で書いてみることにしました。
そもそも異世界ジャンルは衰退しているのか?
- 異世界ジャンルがピークアウトしたと感じた理由
衰退という言葉を使うにはまだ早いですが、ピークは過ぎたと認識している人は多いのではないでしょうか?
異世界ジャンルの隆盛は、「小説家になろう」と切り離せない内容になりますが、おおよそザックリな個人的感想で言えば2011年頃にネットで流行し、2013年頃には商業が本格的に参入してきたというイメージでしょうか。その兆候自体はもっと前からありましたが、主題ではないので細かい点については割愛します。
10年も一大ジャンルとして持て囃されたので、そろそろ入れ替わる時期という時間的な問題もありますが、個人的に一番大きいのは角川のコミックウォーカーのトップページのすぐ目につく場所に「異世界」というジャンルのバナーが取っ払われた事です。「異世界」要素があれば、何でも売れるという時代ではなくなって来ていると言えます。正直、一時期の「異世界」と名さえ付けば何でも売れる時代がおかしかったのですが。。正確な時期は忘れましたが、半年前くらいに移動しました。トップページ自体にはまだありますが、以前はすぐどこからでもアクセス出来るようになっていました。
- 現在のなろう・カクヨムのランキング
基本的には今も異世界要素を盛り込んだものがランキングを席巻しています。元々異世界転生・転移で溢れていましたが、なろうが異世界転生・転移のランキングを別にしたことで、転生要素があるものはカクヨムに流れることになりました。一時期なろう側は異世界恋愛で独占をされていましたが、今は少しずつ変化が見られています。
10年前のなろうは、「友情・努力・勝利」ならぬ「最強・性欲・賞賛」だったんですが、最近は女性人口が増えたことで「最強・カワイイ・羨望」にシフトしたように思います。賞賛されることよりマウントを取ることへ流れていったのも時代の流れですが、追放ざまぁが流行った一因にもなっているように思います。
全体の流れはそのような形ですが、本流の異世界転生という鉱脈が採掘されてからは、どんどん亜流・傍流が作られて行き、さらにメタ構成、それのさらにメタ構成などと掘られ続けましたが、これらの小説の一番良いところは説明をしなくても世界観が共有できた事です。これらの簡単に共有できる要因自体は今後も受け継がれていくのではと思います。
次に来るジャンルとは?
- 次に来るジャンルは近未来学園モノ?
完全に個人の感想ですが、ライトノベル界隈では「近未来学園モノ」が来るのでは?と思っています。
ライトノベル界隈と書いたのは、WEB小説界隈では割と異世界ジャンルは残り続けるのではとも思っているからです。近未来学園モノは誰にでもは書けないので、ジャンルとしてはWEB小説界隈でもあると思いますが、あまり気軽に参加できない可能性があります。
自分の考える近未来学園モノは以下の要件で成り立っています。
・AR・VR・AIなどの技術革新の恩恵があり、RPGゲーム的なスコア化された世界観
・主人公自身が生計を立てられる能力があり、一定以上そのような登場人物が居る
・生計を立てている内容は基本的にゲーム(eスポーツではなく、ステーブルコイン・ゲーミファイ的な内容や配信など)に類するもの
・親という制限は基本的に存在しない、出て来ない
・スクールカースト的な面はあまり強調されない(特権的なものはあるが、下は隷属的ではない)
「ようこそ実力至上主義の教室へ」、「とある魔術の禁書目録」、「アクセルワールド」の世界観が近しいと考えています。
- なぜ近未来学園モノなのか?
行き過ぎた科学は魔法と大差なく見えるという話があります。
当初はローファンタジーかなと思ったのですが、このファンタジー部分がSFと読み替えてもそう大差なくなっている世界にそのうち到達するという期待感があり、そういう意味合いで近未来学園モノになるのかなと思っています。(実際の技術革新はまだまだ遠いですが)
近未来という言い訳がSF表現(≒ファンタジー表現)を上手くカモフラージュしてくれます。
例えば今のゲーム世界転生のゲームシステムのようなものを現実に落とし込むことは、VRやARなどのガジェットを使うことでそれなりに話を通せますし、”そういうもんだ”で通してもどういったものかを既に共有出来ているので、最初は違和感あってもすぐに慣れると思います。
そして今のライトノベルの購買層の主力は30代である為、10代の理想像としての金銭的に自立している立ち位置と、30代で既に得ていて腹落ちしている立ち位置とのすり合わせとして「主人公自身が生計を立てらている」ことは割とよくある設定になってくるのではと思っています。
親が制約条件になってしまっているので、金銭的な意味も含めて制約が解除されている学生というのは学生・社会人両方にとっての理想的な立ち位置だと思うので要件に入れています。
自分だったらどんな話を考えるか
割と設定やプロットを考える事は好きなので、箇条書きで書いてみました。
・学園の中で三つの企業勢力が混在して人材競争をしている
・企業に属している特別生と属していない一般生に分かれる
・主人公は一般生だが、ゲームで生計を立てて一人暮らし
・VR登校が通常で、通信制の登校日のような生身での登校日もある
・AIと人との結婚が成立する世界、同性との結婚も成立する世界
・ゲームで培った戦術・戦略で、意外な活躍を見せた主人公は特別生の勢力争いに巻き込まれていく
みたいな感じの話をイメージしています。
うーん、もうちょっとちゃんと考えて発表するのも面白いかも(時間は無い)。
この内容にインスパイアされた人は、ネタを使ってもいいですが、売れた時は心の師匠として、ワイを紹介するんやで。くりゅたんの先見の明に感銘を受けとかなんとかね。
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