次に来る!ファンタジー漫画シリーズ第一弾!「図書館の大魔術師」をご紹介します。
このブログでの異世界漫画とファンタジー漫画の違いは、異世界漫画はなろうの系譜や記号化された異世界の系譜を指し、ファンタジー漫画は個の世界観を確立している異世界漫画としており、その判断基準は管理人のただの独断です。読んでいただければ、非常に硬派なファンタジー漫画であることをご理解いただけるかと思います。2023年02月現在6巻まで刊行されており、続刊となっています。
題名:図書館の大魔術師(※表記:圕の大魔術師)
原作:風のカフナ(著作:ソフィ=シュイム)
漫画:泉光
オススメ度:★★★★☆
属性タグ:純ファンタジー漫画、圧倒的な緻密な画力、魔法のある世界観、司書を目指し世界の命運を担う物語
作品紹介・推しポイント
- 作品紹介
まず緻密な書き込み度合いに驚かされ、その画力によって紡がれる物語は読者の意識を没入させる。非常に読み応えのある作品です。また原作「風のカフナ」(著作:ソフィ=シュイム)というクレジットが表紙に出ていますが、これは架空の本を指しており、実際の著者は泉光本人です。というのも、ソフィ=シュイムは登場人物の名前であるからです。風のカフナは誰を指しているのか、という意味では登場人物の重要人物に風属性のカフナ(司書)が居るので、彼を指しているのだと思われます。散りばめられた謎を一つ一つ丁寧に紐解いていく物語をご堪能下さい。
主人公のシオは幼少期に司書のセドナと運命的な出会いを果たし、一冊の本を預かります。
セドナがきっかけとなり、主人公は非常に前向きで陽だまりのような青年へと成長し、カフナ(司書)を目指し試験を受けに行くことになります。カフナを目指すシオに様々な困難が待ち受けていますが、持ち前の明るさで乗り越えて行くというお話です。
- 推しポイント
途轍もなく緻密な作画が目を引き、作品世界へと引き込まれます。
若い司書見習いの成長物語で、非常に気持ちの良い作品です。登場人物は一癖も二癖もある人たちですが、主人公の気持ち良い真っ直ぐな心が少しずつ確かに伝わって、調和の取れた美しい世界になっていく様が何とも心地よい作品です。
この作品をアニメ化が出来るのか謎ですが、唯一可能性があるのは京都アニメーションなのではと思います。圧巻の作画をご照覧あれ。
ストーリー紹介(若干のネタバレ有り)
1巻では、主人公のシオが司書のセドナと出会い、彼の本を預かるまでを描きます。
その経緯として主人公の取り巻く環境、また本が好きという想いと司書への憧憬が描かれていきます。弱虫だったシオが運命に導かれて前を向く、そんなお話です。
とても丁寧に幼少期を描いており、そして後々に振り返ればこれが運命の出会いだった……という内容で、物語の主人公になった瞬間を描かれています。
2巻では司書を目指したシオが、受験をしに都まで旅をします。その過程で同じく受験を目指す者たちと出会い、交流をすることになります。ミホナの見栄っ張りだけどドジな憎めないとても良いキャラクターをしています。他にも出会い、巻き込み、巻き込まれ、都へと無事に辿り着き、試験を受けることになります。筆記試験は三日間。莫大な課題が与えられるのでした。
圕の大魔術師は味のあるキャラクターが多く、そんな司書を目指す仲間の登場が2巻からになります。こんなミホナだけど、何気に優秀なのが面白いですね。
3巻では二次試験の面接・三次試験のグループ課題の試験の話となります。
3巻の表紙に特徴的な猫耳の少女オウガは、三次試験でシオと一緒に組むことになりますが、もう一人がトラブルメーカーっぽくて……?
三次試験の話は上手く出来ていて、新たな司書を目指す仲間たちとの初めての共同作業を描き、次に繋げる新キャラもきちんと出しているという上手く構成されたお話です。三次試験の真の課題というのも上手く考えられていました。
4巻では司書見習いとして試験を突破したものが都に集い、また勉学に励もうとする。
シオも同じく合格をしたからには皆と同じように……と思いきや、意外と落ちこぼれであることが発覚する。というよりも周りの人間が優秀過ぎると言った方が正しい様子。その中にはミホナの姿も……。
奮闘するシオくんの姿が描かれ、そしてついに憧れの司書のセドナとの再会。
この4巻のクライマックスは震えて観ろと言わんばかりの物語チックな演出はずるいですね。
英雄とは何を指しているのか、魔王とは何を指しているのか、何故原作名が「風のカフナ」なのか。今後の展開が非常に気になります!
5巻ではグンジョーさんを攻略します(違います)。そして重要人物と目されるシンシアの登場にもなります。この巻のグンジョーさんが可愛すぎて、これがクーデレか……となってしまいますね。
個人的にはグンジョーさん一推しです。
6巻では今までぶつかり合っていた関係から、一緒に前へ向いて共に戦う仲間へと変わっていく過程が描かれます。その中でシオの出生にも少し触れられ、意外な一面も出て来ます。そして謎めくソフィ=シュイムに少しずつピントが合ってきます。この作品の原作表記とされている風のカフナの著者であることから重要人物であることは間違いないです。
少しずつ少しずつピースが集まって来ている予感をさせてくれる、そんな第6巻です。
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